➤ 大学院生からの声 山野晃生 はじめまして。筑波大学医学医療系脳神経外科の山野晃生です。 私は鹿児島県にて生まれ育ち、大学から筑波大学医学群医学類に進学し、現在はつくば市に在住しています。 早いもので茨城県にきて15年以上が経ちました。 2016年に筑波大学を卒業。筑波大学附属病院の初期臨床研修プログラムを経て筑波大学脳神経外科の研修プログラムへ入り、2024年より大学院(筑波大学人間総合科学学術院)に進学して現在に至ります。 ※画像は手術中の様子です。顕微鏡を使った頭蓋底手術を専門とするため修練しています。 脳神経外科を目指すまで 私は初期研修をスタートする段階では具体的な進路は決まっておりませんでした。様々な診療科をローテーションさせていただいた上で、特に脳神経に魅力を感じて「脳神経内科」と「脳神経外科」の2つの進路で悩みました。 最終的には脳神経外科診療のスピード感や時に劇的な神経機能の改善が得られる様を経験し、筑波大学脳神経外科への入門を決意しました。 後期研修プログラム 私は4年間の後期研修プログラムのうち、はじめの3年間を関連施設にて過ごしました。関連施設での経験は脳血管障害、神経外傷などのいわゆるcommon diseaseが中心となります。多くの手術執刀もご指導いただき、外科医としての基本的な手技や心がけを学びました。 4年目の研修生活は基幹施設である筑波大学附属病院で過ごしました。ここでは比較的頻度の少ない脳腫瘍、小児脳神経疾患、機能疾患、てんかん、脊髄疾患について幅広く経験することができました。また、脳卒中科の研修では脳神経内科・救急診療科の先生と共に、最新の脳卒中診療の現場を勉強させていただきました。 後期研修の4年間で脳神経外科専門医の受験に必要な経験は十分に得られます。専門医受験には学会発表や論文執筆も必要となりますが、これらについても手厚くご指導いただきました。 また、COVID19流行を契機にカンファレンスのWEB化が普及し、どの施設にいてもエキスパートの先生方と経験を共有することもできます。私は筑波大学では珍しく同期がいなかったのですが、多くの先輩・後輩にも恵まれ、充実した研修を行うことができました。後期研修を終えた翌年の夏には脳神経外科専門医試験が待っています。 専門医とサブスペシャリティー 無事に脳神経外科専門医の試験に合格しましたら、自身のサブスペシャリティーへ進んでいきます。筑波大学には各分野のスペシャリストが揃っており、自身のキャリアもイメージしやすい環境にあると思います。専門医取得前から将来のサブスペシャリティーの希望など相談する機会が設けられ、早い段階から目標に必要な研修方法を設定できます。サブスペシャリティーについて具体的な希望がない先生には、その先生の特徴にあったサブスペシャリティーを相談しながら、決めていくことが可能です。 私の場合、手術の高い専門性に惹かれ、「良性腫瘍」「頭蓋底外科」を自身のサブスペシャリティーにしようと考えました。専門医取得後は筑波大学附属病院にて主にサブスペシャリティーに関連する症例を担当し、研鑽を積みました。 筑波大学脳神経外科では脳神経外科医としてあらゆる可能性を見出せる環境があります。すでに夢・目標がある先生にはそれを最大限サポートし、よりよい形での実現を目指します。具体的な目標が定まっていない先生にも、筑波大学では様々なサブスペシャリティーをもつ先生がいますので、各先生の背中をみて具体的な目標設定ができる環境です。 ※画像は学会発表風景です。自身の経験した症例や、研究についての発表を行っています。 大学院進学 筑波大学では多くの方が後期研修を終えた後に大学院へ進学します。私は臨床現場に身を置く中で、基礎研究を通してさらに科学的な思考能力を学ぶべく、大学院進学を志望しました。臨床で得られた疑問を基礎研究につなげ、将来の脳腫瘍治療に還元できるよう取り組んでいます。 臨床を少し離れ、研究に専従している大学院生が現在私を含めて6名います。私の研究テーマは悪性脳腫瘍の新規治療探索ですが、ホウ素中性子補足療法・再生治療・血管内デバイス開発など様々なテーマの研究がなされており、これも筑波大学の利点といえます。 最後に 脳神経外科は人の命のみならず、その人生にも貢献できる魅力があります。その中でも多彩な分野があり、幅広いキャリアパスが選択可能です。 筑波大学での後期研修はその可能性を広げ、皆さんの興味やライフスタイルに最適な専門性へ繋がるものと信じています。 ご興味がありましたら、いつでもお問い合わせください。医学生・研修医の方の見学をお待ちしております。 学会後の懇親会の様子です。無礼講で先輩たちと楽しむ日もあります。 ともに研修を積んでいるレジデントたちとの写真です。日々切磋琢磨しています。