➤ 大学院生からの声

筑波大学脳神経外科

はじめまして。
筑波大学医学医療系脳神経外科の中尾隼三です。
私は大阪府生まれ、奈良県育ちです。大学から筑波大学医学専門学群医学類(当時)に進学し、つくばに住んでいます。人生の半分を茨城県民として過ごしています。
2010年に筑波大学を卒業し、筑波大学附属病院の初期研修プログラムに入職、2012年からは筑波大学脳神経外科専攻医プログラムに入職いたしました。
2020年からは大学院(筑波大学人間総合科学学術院)に進学し、脳外傷に関する基礎、臨床研究も行っています。

 脳神経外科医になるという目標

私は高校生の頃、腰の怪我をきっかけに、神経疾患、とくに神経外傷に興味を持ちました。さらに筑波大学の学生実習で「頭部外傷による高次脳機能障害が術後改善した」症例を経験し、脳を含めた神経外傷の神秘性に魅せられていきました。初期研修医の頃、進路を「脳神経外科」、「整形外科」、「神経内科」、「精神科」で迷っていましたが、脳を含むすべての神経外傷を包括的に治療する脳神経外科への入局を決意しました。

 筑波大学の特徴

① 豊富な臨床経験、学術経験

専攻医プログラムは4年間あります。私は最初の3年間を市中の三次救命センター病院を中心に研修を行い、4年目に基幹施設である筑波大学附属病院で研修しました。市中病院では脳・脊椎外傷、血管障害、良性腫瘍など幅広く多くの症例を経験し、大学病院では悪性腫瘍、機能外科、小児、高難度な血管障害を中心に経験しました。4年間で脳神経外科専門医に必要な知識、症例経験、手術経験は十分得られると思います。手術経験に関しては、市中病院で多くの初執刀(頭蓋内血腫除去術、脳動脈瘤クリッピング術、転移性腫瘍摘出術、髄膜種摘出術、血栓回収術など)を指導いただきました。

症例をただ経験するだけでなく、カンファレンスなどで一つ一つの症例を振り返り、検討する機会も多くあります。近年ではCOVID19感染が拡大し、Webカンファレンスが普及しましたが、筑波大学ではCOVID19普及前からWebを活用した若手中心のカンファレンスを積極的に行ってきました。そうすることで専攻医が各々別の施設で研修していても、カンファレンスに参加することができ、症例経験を同世代と共有することができました。

筑波大学脳神経外科-血管障害カンファレンス

血管障害カンファレンス。
Webを用いて水戸、日立地域の病院とも一緒に議論しあってきました。
若手主体でカンファレンスは進めていきます。

また、学会参加も積極的にサポートいただけました。国内のみならず、モチベーション次第では国際学会への参加も手厚く指導いただけました。
さらに、学会発表の症例や研究をもとに、論文作成まで丁寧な指導をいただきました。

指導いただいた中居先生とベトナム・ハノイで行われた国際学会に参加。

ベトナムで開催された国際学会での発表。日本における高齢者と抗血栓療法と頭部外傷の関係を発表しました(ベトナム語ではなく英語です)。

② 豊富なスペシャリスト

筑波大学にはほぼ全領域の脳神経外科サブスペシャリティー専門医がいますので、専門医取得後のサブスペシャリティーについて相談しやすい環境があります。
専門医取得前から将来のサブスペシャリティーの希望など相談する機会が設けられ、早い段階から目標に必要な研修方法を設定できます。サブスペシャリティーについて具体的な希望がない先生には、その先生の特徴にあったサブスペシャリティーを相談しながら、決めていくことが可能です。

▲救急集中治療科研修中の緊急IVR症例を担当。

私の場合、専門医取得後は「神経外傷」「神経救急」をサブスペシャリティーにしようと考えていました。「神経外傷」「神経救急」を行うには救急専門医が必要だろうと考えておりましたので、2年間の筑波大学救急集中治療科での研修を行い、救急専門医を取得しました。また神経救急には脳卒中への知識、技術が必須であるというアドバイスをいただき、脳卒中科での研修、脳血管内治療専門医を取得しました。このように、脳神経外科専門医取得後も自身の夢に向かって着々と専門性を高めることができる環境です。
筑波大学脳神経外科では脳神経外科医としてあらゆる可能性を見出せる環境があります。すでに夢・目標がある先生にはそれを最大限サポートし、よりよい形での実現を目指します。具体的な目標が定まっていない先生にも、筑波大学では様々なサブスペシャリティーをもつ先生がいますので、各先生の背中をみて具体的な目標設定ができる環境です。

 豊富な同世代の仲間

筑波大学脳神経外科にはありがたいことに毎年の入局される先生がいらっしゃいます。したがって、年齢が近い先生と一緒に働くことが多いことも特徴の一つです。特に大学病院での研修では専門医取得したばかりの先輩先生と勤務することが多く、聞きやすい環境であることや、専門医試験についても情報共有できる環境にあります。また、自身が後輩の先生に教えることもあり、知識の整理にもなります。私が専攻医のころはまだCOVID19は存在しない時代でしたので、食事中やちょっとした休憩時間などに各々が将来の目標などを話し合う機会もあり、今でもよきライバルとして貴重な仲間であり続けています。

専攻医4年目、筑波大学附属病院での研修中。この1年間は家族よりも一緒にいました。苦楽を共にした同期は一生の宝になりました。

(筑波大学人間総合科学研究科 3年 中尾隼三)

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