課題名: てんかん外科症例データベースを用いた外科治療の有効性と安全性の解明
更新日:2024年10月31日
① 研究対象者
2024年6月以降に当院でてんかんに対する外科治療を行った方
② 研究期間
研究実施許可日(変更申請後は初回承認日記載)~2029年12月31日
③ 試料・情報の利用及び提供を開始する予定日
当院で試料・情報の利用を開始する予定日及び外部への提供を開始する予定日は以下の通りです。
利用開始(予定)日:2024年12月1日
提供開始(予定)日:2024年12月1日
④ 研究目的
てんかんは人口の約1%にみられるありふれた病気です。てんかん発作が繰り返し起こることにより、人生の長い期間に渡って生活の質が損なわれてしまいます。多くの場合薬物治療が効果を発揮しますが、3~4割の方は薬が効かず、外科治療が必要となることがあります。
実は同じてんかんという病名でも、その中にはたくさんの違う種類の症候群が含まれますし、原因も様々です。また外科治療の種類も焦点切除術、脳梁離断術、半球離断術、迷走神経刺激療法、脳深部刺激療法と様々です。そのため、どのような外科治療がどのようなタイプのてんかんにどのくらい有効であるのかを調べるのは簡単ではありません。北米や欧州など、てんかんに対する外科治療がひとつの施設でたくさん行われる地域で得られたデータに基づいて国内の外科治療が行われているのが現状です。しかし、実際にはてんかんのタイプには人種による違いがあり外科治療の効果や安全性について欧米のデータがそのまま当てはまるとは限りません。また行える外科治療の種類も国によって異なります。
この研究では、日本でてんかんの外科治療を行う上でより信頼できるデータを手にいれるために、日本はもちろん、アジア・オセアニア地域の複数の施設のデータを一か所に集めてデータベースを作成し、てんかんの外科治療の有効性と安全性についての検討を行います。既に確立している国際的てんかん患者大規模データベース(EpiNetデータベース:http://www.epinet.co.nz/)に個人情報が分からないようにした上で患者さんの診療情報を登録し、そのデータを抽出・解析します。これにより、日本におけるてんかん外科治療の有効性と安全性が詳しく示され、本来外科治療による恩恵を受けられるはずの患者さんにより適切な医療を提供することが可能となることが期待されます。
⑤ 研究方法
診療の記録(カルテ)から以下の事項を収集して研究を行います。この情報を個人が特定できない方法で国際データベースに登録します。国内および国外の共同研究機関がこのデータを用いててんかんの外科治療の有効性と安全性についての解析を行います。以下の情報は診療の記録から抽出しますので、患者さんに新たに検査等のご負担をいただくことはありません。
⑥ 研究に用いる試料・情報の種類
年齢、性別、身長、体重、既往歴、教育歴、就業歴、臨床情報(てんかんの種類、病因、罹病期間、てんかん発作型・頻度等)、血液検査、神経生理学的検査(脳波、脳磁図)、神経心理学的検査、神経放射線検査(頭部CT、頭部MRI/MRA、SPECT、PET)、てんかん薬物治療歴、てんかん外科治療歴
⑦ 外部への試料・情報の提供
試料・情報は個人が特定できないよう氏名等を削除し、電子的配信により国際的てんかん患者大規模データベース(EpiNetデータベース:http://www.epinet.co.nz/)へ提供します。対応表は、当院の研究責任者が保管・管理します。
⑧ 外国にある者に対して試料・情報の提供
試料・情報は、個人が特定できないよう氏名等を削除し、電子的配信により国際的てんかん患者大規模データベース(EpiNetデータベース:http://www.epinet.co.nz/)によりニュージーランドの研究機関に提供されます。対応表は、当院の研究責任者が保管・管理します。
ニュージーランドにおける個人情報保護に関する制度については個人情報保護委員会のWEBページをご覧ください。
(https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/kaiseihogohou/#gaikoku)
また、提供先の研究機関においては、OECDプライバシーガイドラインを全て遵守してあなたのデータを取り扱うことを確認しています。
⑨ 研究組織
この研究を行う研究者は、次のとおりです。
自治医科大学脳神経外科 准教授 國井 尚人
東京大学医学部附属病院脳神経外科 助教 嶋田 勢二郎
東京都立神経病院脳神経外科 医長 松尾 健
聖マリアンナ医科大学脳神経外科 教授 太組 一朗
東京医科歯科大学脳神経外科 講師 稲次 基希
京都大学脳神経外科 准教授 菊池 隆幸
国立精神・神経医療研究センター病院脳神経外科 部長 岩崎 真樹
森山脳神経センター病院脳神経外科 院長 堀 智勝
奈良県立医科大学脳神経外科 助教 佐々木 亮太
埼玉県立小児医療センター脳神経外科 医長 宇佐美 憲一
国際医療福祉大学成田病院脳神経外科 准教授 上利 崇
聖隷浜松病院てんかん・機能神経センター センター長 藤本 礼尚
千葉県循環器病センター脳神経外科 部長 青柳 京子
順天堂大学脳神経外科 准教授 飯村 康司
徳島大学脳神経外科 講師 多田 恵曜
大阪公立大学脳神経外科 講師 宇田 武弘
九州大学脳神経外科 教授 吉本 幸司
奈良医療センター脳神経外科 診療部長 田村 健太郎
山梨大学脳神経外科 教授 木内 博之
静岡てんかん・神経医療センター脳神経外科 医長 臼井 直敬
鹿児島大学脳神経外科 教授 花谷 亮典
大阪大学脳神経外科 教授 貴島 晴彦
広島大学てんかんセンター 教授 飯田 幸治
札幌医科大学脳神経外科 教授 三國 信啓
聖隷三方原病院てんかん・機能神経外科 院長 山本 貴道
近畿大学脳神経外科 准教授 中野 直樹
東北大学脳神経外科 教授 遠藤 英徳
名古屋大学脳神経外科 病院助教 石﨑 友崇
信州大学脳神経外科 教授 堀内 哲吉
長崎医療センターてんかんセンター センター長 小野 智憲
筑波大学附属病院脳神経外科 講師 増田 洋亮
大分大学医学部附属病院医療情報部 助教 松田 浩幸
行徳総合病院てんかんセンター センター長 峰 清一郎
All India Institute of Medical Sciences(インド)脳神経外科 教授P Sarat Chandra
Auckland City Hospital(ニュージーランド)脳神経内科 教授 Peter Bergin
⑩ 利益相反等
利益相反はありません。
⑪ 本研究への参加を希望されない場合
患者さんやご家族(ご遺族)が本研究への参加を希望されず、試料・情報の利用又は提供の停止を希望される場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。
⑫ お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出ください。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
当院における照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
担当者の所属・氏名:筑波大学附属病院 脳神経外科 増田洋亮
住所 :茨城県つくば市天久保2-1-1
連絡先:029-853-3220
(対応可能時間 「平日9~17時」)
当院の研究責任者:筑波大学附属病院脳神経外科 増田洋亮
研究代表者:自治医科大学脳神経外科学 准教授 國井 尚人