小児脳神経外科(頭部外傷) こどものけがのうち、頭部外傷は1/4くらいと言われています。特に0-2歳くらいの歩き始めたくらいは歩行が不安定で筋力が発達していないため、転んだり落ちたりして頭をぶつけます。また小学生から中学生になると、活発に遊んだりスポーツをするようになり受傷することもあります。ほとんどの場合は軽症ですが、交通事故などの場合重症になり後遺症を残すこともあります。 乳幼児の頭部打撲 頭をぶつけた後も元気で普段と変わったことがなければ頭部CTなどの検査は必須ではありません。CTの検査では被爆をするため必要な場合にのみ行います。意識が悪い、元気がない、いつもと様子がちがう、大きなたんこぶができている、高いところからの転落や交通事故の場合などはCTを撮影して頭の中に出血などがないかを見る必要があります。検査の有無に関わらず、受傷後24時間は状態に変化がないか注意して見守りましょう。 脳振盪後の運動再開 頭をぶつけたり強い衝撃があった後に頭痛やふらつきなどの症状が出ることを脳振盪といいます。脳振盪はどんな原因で頭をぶつけても起こりますが、数日から2週間くらいで症状は消失します。脳振盪後に運動を再開する場合、急に激しい運動をすると症状が悪くなったりなかなか良くならないことがあります。脳振盪後はしっかり安静をとって、症状がなくなった後に少しずつ学校に復帰して、その後に運動を再開する必要があります。特にラグビーやサッカーなどの頭に衝撃が加わることが多いスポーツへの復帰には注意が必要です。 筑波大学附属病院ではスポーツ脳振盪外来を開設し、スポーツへの復帰のサポートを行っています。