機能的脳神経外科 てんかん てんかんは、発作性の疾患です。長期に発作を持つことによって、脳の機能障害が出現、進行します。主には薬剤治療を行いますが、2年以上の治療を行っても、2種類以上の薬を使っても薬物治療で寛解する可能性が低く、外科治療が有効なことがあるので、手術治療が可能か検討します。主に難治性てんかんに対する治療を行います。 この数年で国内でも新規抗てんかん薬が承認されています。当院では新規抗てんかん薬の治験を行うこともあります。手術治療以外の選択肢にも目を向けて、治療を検討していきましょう。 当科は筑波大学附属病院てんかんセンターの一員です。小児内科、神経内科、精神神経科、救急・集中治療科の医師、看護師、臨床検査技師、心理士、リハビリテーション各療法士を始めとしたチームで診療にあたります。子供から大人まですべてのてんかん患者さんを対応します。 不随意運動(パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなど) 当院では不随意運動疾患に対して、定位的脳神経外科手術を行っています。 手が震えてしまったり、体に勝手に力が入って動かしづらい場合には、手術治療が有効な場合があります。脳の深部に細い針を刺して脳の深部の神経を調節する治療を行います。 治療を行うターゲットは数mmの大きさの神経核(脳の中央司令部)であることがあります。精緻に埋め込むために、図のような定位脳手術装置を用いて手術を行います。 その他、脳卒中やその他の脳疾患のために発生する痙縮(筋肉がつっぱってしまう状態)に対する神経縮小術やバクロフェン髄注療法(ITBポンプ埋め込み術)、難治性疼痛に対する脊髄電気刺激(SCS)や大脳・ 脳深部刺激術などを行なっています。正常圧水頭症に対するシャント手術(腰椎腹腔シャント術を含む)も数多く行っています。 お薬でなかなか満足が得られない症状がありましたら、一度ご相談いただければ幸いです。 (文責:増田 洋亮)